和モダンは日本家屋に西洋式のインテリアを取り入れたり、逆に西洋建築の中に和風のインテリアを取り入れたりといったテイストのことです。実は和モダンには明確な定義はなく、和洋の二つの文化を融合させたハイブリッドなデザイン全般をそのように呼んでいます。
デザイン的には日本に西洋文化が導入された時期のアールデコなどを基調にしたり、和紙や珪藻土や寄木細工などを西洋のタンスなどに組み合わせたりと、日本の伝統と西洋モダンを組み合わせて表現することが多くなっています。近年では欧米のモダンスタイルだけではなく、和風に相性の良い北欧インテリアを組み合わせることも人気です。
この記事では、そんな和モダンについて、そして和モダンなお部屋に合う照明について解説していきます。
和モダンってどんなインテリアテイスト?
和モダンのデザインの特徴は、日本で古来から使われている素材やデザインをアレンジして使うことです。
日本では山林が占める割合が多く、木工が盛んに行われてきた歴史を持っています。そのため、日本の家具には木材や竹などが使われている場合が多いのです。こういった伝統的な素材に西洋のデザインを取り入れたり、逆に西洋的な家具を和風の材料で製作したりといった方法で和モダンを表現していきます。
また、日本では椅子ではなく畳や床に座る文化があり、背の低い家具で統一することも和風を表現する方法になります。ここに洋風のチェアを一脚置けば、それだけで大正ロマンのような雰囲気を演出することができます。
他にも、障子紙をカーテンの代わりにして光を和らげる、着物柄をソファカバーに使うなど、アイデア次第でアレンジは無限に広がることも和モダンの魅力です。
和モダンなお部屋に合う照明の種類は?
明るすぎず柔らかな光を放つものが和モダンに合うライトです。また、和紙や竹といった素材を使うことで和の雰囲気を強めることができます。ここでは大まかな種類で、和モダンなお部屋に合う照明をご紹介します。
シーリングライト
たとえば天井から吊るして使うシーリングライトならば、和紙と曲げた竹を使い様々な形を表現可能になります。日本古来の照明である提灯のようなデザインも、扁平率を変化させて作るだけでさまざまなバリエーションモデルを作ることが可能です。
ペンダントライト
ペンダントライトならば藤かごのような風情にしてもいいですし、灯篭のようなデザインも面白いかもしれません。江戸ガラスなどを複層にして芸術的なペンダントライトにしても、意外にも和モダンに似合う照明になります。
フロアライト
和風のフロアライト照明は、複数の和紙を使って温かみのあるデザインにすれば常夜灯にも最適です。文様を透かすだけで、照明はおしゃれになってくれます。和風が最も得意な分野がフロアライト照明かもしれません。
フットライト
フットライト照明は、人感センサーを組み合わせて廊下やお手洗いの前に設置します。曇りガラスや落ち葉のデザインをシェードに施すなど、情緒があることが和モダンのデザインの特徴です。無機質な光も、間接照明の効果を使えば幻想的になります。
和モダンなお部屋を作る照明の選び方
和モダンの空間を作る時には、照明にワンポイントの工夫をするだけで雰囲気をより印象的に変化させられます。
照明を選ぶときは、明るすぎないことと色温度を昼光色よりも低くすることが鉄則です。それ以外にも気を付けるべきポイントを解説します。
1.曲線的なデザインを選ぶ
和風では曲線的なデザインを採用することで、柔らかく落ち着いた空間になります。楕円形の和紙や竹を編み込んだデザインならば、光は優しい印象になって中心から全方向に広がってくれるのです。この時に和モダンの照明では、行灯のような電球色の光源を選ぶことがポイントになります。
2.伝統的な模様や落ち着いたカラーを選ぶ
日本の文化は侘び寂びと呼んで、デザイン的には木目を活用したトーンで統一するのが特徴です。照明の素材や構造も、和紙や木目調のデザインを選ぶことで和モダンを演出できます。朱色などの伝統的な色もいいですが、基本的には茶系の木目カラーが万能的です。
3.間接照明も置いて雰囲気を演出しよう
間接照明を活用するのもいいかもしれません。現在のトレンドは家具とワンセットで活用することです。たとえば家具の下にLEDを設置しておき、夜間にスイッチを入れることで、空間が浮いたようなデザインを表現できます。
間接照明で和モダンを表現するポイントは、左右対称のシンメトリーデザインを意識することです。日本では鏡面風景などに見られるように、シンメトリーなバランスを重視する傾向があります。
【種類別】和モダン風のおしゃれな照明インテリアおすすめ12選
和モダンを表現するのはアイデアが重要ですが、最も効果的な近道は最初からデザインされた製品を導入することにあります。和モダン風におすすめなシーン別で活用できる、12個の照明インテリアを紹介します。
これらのライトは単品で使ってもいいのですが、フットライトやフロアライトなら複数使って規則性を作っても面白いかもしれません。まるで古都の庭を散策するような雰囲気を再現できるでしょう。
和モダン風ペンダントライトおすすめ3選
ペンダントライトはお部屋のメインの照明になりますので特に大切な部分です。シェード部分に和を感じさせるものを選ぶと良いでしょう。
和モダン風ペンダントライトその1
画像:楽天市場
日本の手仕事によって作られたペンダントライトです。螺旋をイメージした二重構造になっており、内部には和紙を使って衛星部分は竹ひごで丁寧な放射状に提灯のように加工された逸品になります。二重構造の陰影がノスタルジックで革新的です。
和モダン風ペンダントライトその2
画像:Amazon
西洋館の食堂にあるようなレトロでノスタルジックな照明になります。外観は有機的な円形の簾状です。内部の反射と隙間から漏れる光が、懐かしくおしゃれな雰囲気のペンダント照明になっております。
和モダン風ペンダントライトその3
画像:au PAY マーケット
モダンデザインのペンダントライトであり、それでいて和風からインダストリアルデザインまで似合うのが和モダンの懐の広さです。日本人には原風景的な笊を素材に使い、雲をモチーフにしてデザインされております。飲食店で使えば空間を落ち着いた雰囲気にしてくれることは間違いありません。
和モダン風シーリングライトおすすめ3選
天井に直接取り付ける形のシーリングライトは、一見すると個性を発揮できなさそうですが、実はここでも和モダンを演出することが可能です。実際に和モダンのデザインに仕上げられているシーリングライトをご紹介いたします。
和モダン風シーリングライトその1
画像:FLYMEe
和風の特徴の一つに削ぎ落された機能美があります。このシーリングライトのコンセプトも正しく、極限まで削ぎ落したシンプルデザインで、個性を発揮しているところです。外観はソリッドな麻を使い、柔らかなシェードからこぼれる光は優しく対象物を照らしてくれます。
和モダン風シーリングライトその2
画像:楽天市場
和紙で形成されているのに丈夫で破れにくく、水拭きまで可能なことが機能的なシーリングライトです。手作りで作られており、二つと同じ物がありません。光が広がりやすいように、極限まで和紙を使って製作しました。
和モダン風シーリングライトその3
画像:楽天市場
薄型の和モダン照明のこの製品は、アイアンフレームの上に特徴的な和紙を張って作られております。幾何学的なラインが入っており、電気を点灯すると淡い光の中に模様が浮かび上がることが魅力的です。
和モダン風フロアライトおすすめ3選
より幻想的な雰囲気を出したいならばぜひフロアライトを取り入れてみましょう。効果的に使えば、まるで高級旅館に泊まっているような気分を味わえるようになります。
和モダン風フロアライトその1
画像:Amazon
アイランドスタイルの格子型のフロアライトです。和風だけではなくアジアンテイストでもあり、上部には置物を置いてアレン出来るスペースを設けております。和の小物を置いたりガラスのオブジェを飾ったり、アイデア次第で芸術的な装飾にも一役買うのです。
和モダン風フロアライトその2
画像:楽天市場
三角形を基調にしたフロアライト照明になります。アイアンフレームで形成された外枠に、透かし線を入れた和紙を斜めに張っているのが特徴です。光は中心部から減衰してゆき、和紙の凹凸によって光の広がりと強度が変化するのがノスタルジックになります。
和モダン風フロアライトその3
画像:FLYMEe
四角い枠を連続で並べることで、鳥居のようなデザインを再現しました。外枠はフレームとしてもシェードとしても役割を持っており、左右に稼働するので、芸術的なアレンジが可能です。日本の持つ陰影や詫び錆が表現されたフロアライトになります。
個性的な形の和モダン風照明おすすめ3選
和モダン風の照明の中には個性的な形で作られたものもあります。こういったものを小物として配置すれば、お部屋を個性的なものにすることができるでしょう。
個性的な形の和モダン風照明その1
画像:Creema
和モダン照明のランプの外装に、浮世絵や日本画的な草花を描くことで大正ロマン風のランプになりました。そのままでもカラフルですが、電気を点灯するとステンドグラスのような美しい光景になります。
個性的な形の和モダン風照明その2
画像:HomeZakka
個性的で有機的な支柱の先には、和傘を逆さまにしたシェードが付くスタンドタイプの照明です。有機的な曲線を直線の組み合わせは、和風でありながら北欧テイストの要素も兼ね備えています。
個性的な形の和モダン風照明その3
画像:なーむくまちゃん工房
古来から夜歩きのお供として重宝された提灯は、光を拡散するために外側に和紙を貼り付けた円筒型のデザインで、和紙にはさまざまな模様があしらわれていました。そんなノスタルジックな印象を現代に再現した提灯照明です。
まとめ
和モダンの定義は曖昧です。木材や和紙を使った物から、ミニマルで連続的な構成など、紐解いていけば日本建築にルーツを見ることができます。単に和風と洋風の両方を置くだけでなく、それぞれが引き立て合うような配置をするのがポイントと言えるでしょう。
照明はお部屋の印象を大きく左右するインテリアです。和モダンなお部屋を作りたいときは、まずは照明にこだわってみてはいかがでしょうか。